診断の歴史

狂犬病の診断には、臨床症状から感染を推定する方法と、ウイルスや感染に伴う病変を検出して狂犬病を確定する方法がある。

本ページでは、時代毎の臨床診断の変遷と、これまで日本で診断に用いられてきた技術について、書籍を読み解きながら紹介する。

狂犬病の診断方法の概要 ▶▶▶詳しく見る

『狂犬病説』

陸軍文庫
明治12年(1879年)8月 出版

1879年当時の狂犬病診断方法について記載されている。狂犬病を確定することのできる診断技術はなかったため、主に臨床症状から診断する方法が取られていた。

▶▶▶詳しく見る

1887

パスツール研究所が硬膜下接種法による狂犬病診断法を発表

パスツール研究所から、狂犬病発症犬の脳をウサギやモルモットに接種して、狂犬病を診断する方法が報告された。

1903

Adelchi Negriがネグリ小体を発見

アデルキ・ネグリによって、狂犬病に感染した動物の神経細胞の細胞質に、特徴的な封入体が形成されることが発見された。

『狂犬病論』

田中丸 治平 著 / 志賀 潔 編
吐鳳堂書店
大正6年(1917年)4月 発行

 曝露後ワクチンが開発されたため、これまでより迅速な診断が求められた。

 臨床診断に加え、死後診断として動物試験やネグリ小体の検出が行われるようになった。▶▶▶詳しく見る

『家畜伝染病診断学』

獣疫調査所 近藤正一 著
文永堂書店
昭和16年(1941年)3月 発行

 動物試験法、血清診断などの研究が行われていたが、実際に診断に用いられる技術は1917年と大きく変化はないと考えられる。▶▶▶詳しく見る

『衛生検査指針』

国立予防衛生研究所
北岡正美 主査
共同医書出版社
昭和25年(1950年)10月
第2版発行

 狂犬病撲滅のために国からの指針が出され、より効率的に診断が行われるようになった。

 新たに血清を用いた診断が行われるようになった。

▶▶▶詳しく見る

1953

安東清らが補体結合反応による狂犬病診断法を発表

戦後から診断に用いられるようになった、血清を用いた手法が発表された。

1957

狂犬病収束